絵本専門店ゆめや
SEIT 1980
所在地
山梨県甲府市屋形3−3−7
郵便番号
〒400−0017
E−mail
あります。

沿革

● 1980(昭和55)年3月3日、甲府の中央商店街の一角(相生2丁目)で絵本専門店ゆめやとして開業しました。同地で十二年間営業。まだまだ日本も人の流れがゆるやかな時代で、まるで「三丁目の夕日」に出てくるような、「くださいな」「はーいよ」の時代でした。ところが、時代は急速に変ります。高度大衆消費からバブル・・・
地価も固定資産税も跳ね上がる、人みな儲けに走る・・・・まさに、ミハエルエンデ描く「モモ」の世界そのものに変ってしまいました。近隣は深夜飲食店が並ぶ町に変貌し、仲が良かった近所も挨拶するまで稀になりました。夜中までの宴会騒ぎ、そういう騒ぎの中には学校の先生もいればお役人もいて、このバカ騒ぎは五年くらい続いたでしょうか。うるさくて夜も寝られず、やがてバブルが弾けるころには店の前で刃物を持った外国人の犯罪までも起こりました。絵本屋をやるなんて場違いという雰囲気になったわけです。耐えられなくなって、現在地である甲府市屋形3丁目に引っ越しました。1992年のことです。武田信玄の館があった躑躅ケ崎城のすぐ近く、山の中腹の閑静な住宅街です。商店などまったくありません。生まれた町を去るのは悲しいことでしたが、しかたありません。そして今日までやってきました。もちろん店売りもしています。でも、山の中なので、フリーのお客は少ないです。

● 主な営業は「ブッククラブ」です。全国に千人以上の配本を受ける会員がいます。いや、全国ではありません。外国にもいます。ただ、これ以上は増やせないのです。夫婦二人、たまに娘が手伝う2.5人の労働では千数百までが限度、そんじょそこらにある「はい。この次の月にはこの本」とすべて同じものが届くシステムとはちがうからです。個別に配本を組む「発達年齢対応ブッククラブ」とその上に位置する「就学児対応ブッククラブ」。一人のお子さんと十年以上のお付き合いをすることになります。複雑な対応、細かな作業、一人で何役もこなさなければならない仕事となります。だって、三月生まれと四月生まれの子が同じ配本なんておかしいですよね。大きくなれば性差も出てきます。だから配本プログラムはすべて個別対応です。・・・・字数の多いリリースも発行しなければなりません。好きでやっているのでグチは出せませんが、ミスが出ることもあって、くたびれます。

● だから、ブッククラブは大きくはしません。お客様とのコミュニケーションがなければ、その後の環境や成長の変化にも対応できませんからね。そんな、こんなで三十年・・・・長くもあり、あっという間の時間でもありました。かつて配本を受けていた子どもさんが結婚して子どもを連れて、またやってきて会員になる時代にも突入しています。うれしいことですが、あとどのくらい続けられるか・・・・どのくらいアニメ、ゲームなどのサブカルチャーの台頭に抵抗できるか・・・・世の中は私どもが目指す方向と逆に進み始めています。まるで、それでよいかのように・・・・営業を続けるなかで、むずかしい問題は山積みです。 。